脳の神経細胞が減少し、脳が萎縮し様々な症状が現れます

急速な速度で高齢化社会に突入する日本で今後も大きな問題となるのが、患者数が増大している老人性認知症です。老人性認知症の原因の80%はアルツハイマー型と脳血管性によるものです。

健康な人でも加齢とともに脳の神経細胞の数は緩やかに減少していきますが、「アルツハイマー型認知症」では、急速な減少が見られ、脳が萎縮することで発症します。

発症の原因は明らかになっていませんが、タンパク質(βアミロイド)が脳全体に蓄積し、脳の神経細胞の変性が起きるのです。それにより神経細胞が障害され、神経伝達物質のひとつであるアセチルコリンの量が減って記憶機能などに低下が見られるようになるのです。

もう一方の「脳血管性認知症」は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、脳細胞がダメージを受けることで発症するものです。無症状のまま病変が多発し、それが小さいものであっても記憶を司る部分の脳細胞に発症すれば認知症を起こすリスクが高くなります。

老人性認知症を予防するためには、生活習慣病に注意し、野菜や魚類を中心とした正しい食生活、適度な運動、禁煙、日常生活で頭を使う知的活動を行うことなどが効果的とされています。

発症した場合には脳の血流を改善させる薬や脳の血管を拡張する薬、抗うつ薬などを使用する対症療法を行います。初期のアルツハイマー型認知症はアセチルコリンを分解してしまう酵素の働きを抑えるデネペジルという薬を服用することで、病気の進行を遅らせることができるようになりました。